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【スタッフブログ】ズバリ、プランナー募集要項に書かれている「応募課題」についてのお話

こんにちは。
スタジオ・ゼロの田中裕一郎です。

毎日、うだる猛暑が続いていますね。
これでまだ8月にもなっていないとは……正直その事実だけで軽く倒れそうです。
これだけ暑いと熱中症以外にも色々な面で体のバランスが崩れがちになると思います。
無理せず体を気遣いながら、毎日乗り切っていきましょう。

さて、このブログをお読み方の中には、採用への応募をお考えの方もいらっしゃるかと思います。と言うか、まだ発表タイトルの少ないスタジオ・ゼロのページをわざわざ選んで読んで下さっている時点で、そういった方が多めかも知れませんね。とても有難いことです。

そこで今回はズバリ、シナリオ系プランナーの未経験者向け募集要項で提出をお願いしている「課題」について、どんな意図があるものなのか、その一部を少しお話ししてみたいと思います……!

まず、募集要項には以下のように書かれています。

 * * *

【ゲームテキスト制作 未経験者】
 ・以下、2つのシーンの中から1つを選び、音声のみのドラマを想定した台本を制作
  (書式、長さ、記載されていない細部の描写の追加は自由)

<シーン1>
娘を誘拐された男が、身代金のカバンを持って受け渡し場所に着く。すると犯人から電話があり、物陰にあるイヤホンを付けろと指示される。イヤホン越しの犯人から指示通り歩けと言われるが、こんな時に限って多弁な知り合いにばったり出くわす。男は何とかごまかして難を逃れる。

<シーン2>
高校生の友人同士4人が家に集まり鍋パーティーで談笑中。話題も尽きた頃、1人がテレビのチャンネルを適当に変え始め、ある番組が皆の目に留まる。背広姿の大人が集う政治討論風の番組だが、何人かが虹色のモヒカン刈りなのだ。4人は、これがどういう番組なのかについての話で再度盛り上がる。

 * * *

はい、なかなかに特殊なお題ですね(笑

「音声のみのドラマを想定した台本」というのは、要するにラジオドラマやドラマCD等に求められる台本、と考えてもらって構いません。
なぜゲーム開発職の募集なのにそういう課題なのかというと、作成のノウハウが、実際に仕事に就いて頂いた際に求められるゲーム用脚本のノウハウと非常に近いからです。

当たり前ですが「音声のみ」ということは、目から入ってくる情報はゼロです。
ここは何処か。昼か夜か。台詞を言った人物は誰で、どんな年恰好で、何をしているのか……必要な情報は全て音だけで伝えなければなりません。でも説明的な言葉を台詞の中に入れれば入れるほど、会話は自然でなくなっていきます。となると、伝える情報を取捨選択しなければならず、そのためには、聞き手が今どこまでの情報を知っていて、どの音や台詞でどんな情報が伝わるかを正しく把握/分類できなければなりません。これを見極めるスキルが、ゲームの脚本を作る上ではことさら重要になると思います。

ゲームは映画などと違って双方向なので、シーン間の繋がりやテンポがある程度プレイヤーに委ねられています。そのため台詞には物語を伝える以外にもゲーム特有の役割があり、個人的には特に重要な役割が2つあると思っています。
1つは「プレイヤーが次に何を(何処を)目指せばよいのかを、誤解させる事なく、かつ不自然でない言い回しで示唆する」こと。
もう1つは「イベント/フィールド/バトルなど目的の異なる複数のシーケンスの切り替わりの印象をスムーズに地ならしする」こと。
これらを高い精度でこなすには、前述の「プレイヤーが今どこまでの情報を知っていて、その台詞でプレイヤーにどんな情報が伝わるかを把握/分類できる力」が不可欠になってくると思います。

なので、その辺りを考えて工夫して頂くために、上記課題の2つのシーンにはそれぞれ「音だけでは表現しづらい要素」を敢えて入れてあります。書いてみると分かりますが、シーン1と2で、それぞれ違った種類の「表現しづらさ」にぶつかるのではないでしょうか。音だけで自然に表現するには、何を伝えて、何を省くべきか。何を言わせると何が伝わるのか……。

この課題に「これが最善の正解」といったものは無いと思います。
ぜひぜひ力作を同封してのご応募をお待ちしています!

そんな訳で、今回は採用の募集要項にある「課題」の意図についてお話ししてみました。
飽くまで一部分ではありますが、こういう内容を公式ブログで直接明かすというのは、意外と珍しい試みだったかも知れません。いかがだったでしょうか。

ファンタジー作品はアトラスにとって新しい境地への挑戦なので、まだ多くの旅の仲間を募らなければなりません。我こそは旅の導き手たらんという方! ぜひ力をお貸しください!(迫真

今回も小難しい長文にお付き合い下さりありがとうございました!

では……!