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連載その3。RPGの開発はどんな風に始まるのか?

スタジオ・ゼロの橋野です。会社のある東京は蒸し暑いのですが、皆さん、如何お過ごしでしょうか? 風邪などひきやすい季節なので、どうかご注意ください。というわけで「過去にインタビューなどで聞かれたことを振り返り、今、これからの為に想う事」を綴っております。

3回目は「RPGの開発はどんな風にはじまりますか?」というクエスチョンについて。

どんな風にと言われても…いろいろな場合があったはずなんですが、よくよく振り返れば…「いつの間にか」始まっていることが多いかもしれません。プロジェクトのリーダーをさせてもらっている僕がこういうのもどうかと思いつつ。…というのも、ゲームの場合、前作が発売される頃には次回作を作っていることが多いんですね。作品にとっての都合というより、会社的なマネジメント上の都合です。そうしないと、大勢のスタッフの作業がうまく回せなくなって、余計なお金がかかってしまうのです。

こういう事情もあって、例えばゲームの取材は、皆さんに特にご注目を頂ける時期として「タイトルの発表時」と「発売時」での依頼が多くなるのですが、タイミング的に苦しいと感じるときがたまにあります。まず発表時ですが、ゲームが完成していないことがほとんどなので、頭の中は不安だらけ。「あそこはうまくいくのか」「あっちは今のところ機能していない…どうするか?」「例のデータがあがってない…間に合うか?」とかそういう状態で、広報担当者が望むように意気揚々?と「絶対の自信作ですっ!」などとは答えにくいわけです。運が悪いと取材の直前とかに、辛らつなプレイ感想があがってきて、現実に打ちのめされたまま、取材に向かうときもありますので…(胃が痛い)。

一方、リリース時のときのインタビューは別の意味で大変です。発売直前の場合、皆さんに面白いと言ってもらえるか、という不安でいっぱいなのは当たり前として、これに加えて、さきほど申し上げたとおり、リリース時期の頭の中は、次回作の構想でいっぱいの状態になってしまっています。こういうとき、作品の表層(たとえば、このシステムの狙いは?とか、このキャラクターの意味は?とか)については、しっかり記憶にあるのですが、コンセプトの部分になると「えーっと、どうやってはじめたっけ?」と一瞬、忘れてしまうことがあるのです。単に並行で考えられない&記憶力が弱いってだけの可能性もありますが(汗)、良いタイミングでご注目を頂いてこその仕事なので、仕方がないんですけどね。

…とまぁ、大体がこういう状態なので、ReFANTASYの構想をはじめたのも、例に漏れず、前作のリリースの前になります。プロジェクトのメンバーとご飯を食べながら、なんとなく「そろそろファンタジーやろうか」という話になったんですね。いつか取り組みたいと思っていたテーマだったので、その場の思いつきで始めたわけではないのですが、始まりの会話自体はそんな感じだったと思います。メンバーから異論がでるわけでもなく「そうか、いよいよはじめるのか」みたいな感じで、覚悟は決まっている(鼻息)というか、あっという間にその話は終わってしまったのでした。

以前、同じような質問を含んだインタビューを海外メディアからスカイプで受けたんですが、そのときは多分、きっかけの会話についてではなく、起案のためのコンセプト作りの話をさせてもらった気がします。はじまりの会話はどうしようもないくらいラフなのですが、準備自体はどのタイトルでも真面目に考えながらさせてもらっているので、英文の記事の紹介で恐縮ですが、宜しかったらご覧ください。最新作では、いろいろ面白い発表の仕方が出来ないかなと、今から楽しみにしてるので、その時はまた、話題にして欲しいと思っています。

■VICE
https://waypoint.vice.com/en_us/article/precious-moments-hype-and-high-school-a-conversation-with-persona-5-director-katsura-hashino

「開発スタジオ近影。最近は、なんとなくYMOです。今でも未来を感じる音で、暑さと湿気を吹き飛ばしてます!
そして、たくさんのフィギュアにLEGOのドラゴンも仲間入り。かなりのパーツ数でしたが、好きなスタッフがあっという間に組み上げてくれました!」