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連載その1。よいRPGって何?

皆さん、如何お過ごしでしょうか。スタジオ・ゼロの橋野です。今回から定期的に「過去にインタビューなどで聞かれたことを振り返り、今、これからの為に想う事」を綴ろうかと思います。理想論に終始するかもしれませんが、夢を見れるのも今のうち。現実が立ち塞がるまでは続けたいと思いますので、お付き合いください!

1回目は「あなたにとって良いRPGとは?」というクエスチョンについて。

皆さんにとっての良いRPGって、どんな要素が入っていますか? 魅力に溢れる登場人物ですか? 感情移入が出来る物語ですか? 冒険の実感が湧くようなゲームプレイ? それとも、とにかく楽しく、爽快な気分になれることが重要でしょうか? もちろん正解は人それぞれですが、皆さんは、この質問で、どんなRPG作品を思い起こしたでしょうか?(アトラスの作品が入っていると嬉しいのだけれど…) 聞かれたときは直球すぎて、一瞬戸惑う気持ちになりましたが、RPGを作ってきた身として(生活のほとんどをRPGの製作に充ててきてしまったゲーム開発者の端くれとして…という方が正しい)改めて振り返ることが出来ました。

「良いRPGに必要な要素は無数にあるはずだが、それらが結局、何の為に存在しているべきかと考えるなら、最終的には「記憶に残る作品性を持たせようとしているかどうか」だと考えます。言い換えるなら「思い出に残るゲーム」を目指せるかどうか。一過性の快楽を味わうだけでなく「いつまでも心に残った」と思える作品に出会えることは、多くのゲームファンにとって最も喜ばしいことだろうと思うからです。」

上の写真(左)は、担当前作である『ペルソナ5』で目指す作品性について綴ったスタッフ向けのコンセプトシートです(ちなみに写真(右)がいわゆる商品の企画書ってやつ。作品の表面的な要素を企画書の方にまとめ、表には出ないテーマ性の部分をコンセプトとしてまとめました。ゲームに限らず、どんな創作でもそうだと思いますが、これらは表裏一体で、先ずはテーマがしっかりと固まらないと、ゲームの設計がなかなか出来ません。)かなり前に書いた資料ですが「(アトラスの)個性を体現するような傑作を作ろう」「心に刻まれる経験を提供しよう」と呼びかけています。やはりゲームでしか味わえないような体験こそ、多くのRPGプレイヤーが常に待ち望んでいる「良いRPG」のための大きな要素だと信じているからです。これはスタジオ・ゼロにとってだけではなく、アトラスの全てのスタッフにとっての理想であり、目標にしていることだと思います。

誰かに成り変わる体験こそがRPGの醍醐味であることは言うまでもないのですが、現実を生きるプレイヤーにとって、その経験の先に、何らかの変化が起こるような期待を込めて作品作りをしたいと、いつも思っています。もちろん、このような経験は、映画であれ、書物であれ、体験可能なことかもしれない。しかし、それがゲームならではの感情移入、没入感、ゲームプレイ自体の快楽とともに味わえるなら、何よりも贅沢な「娯楽」であると感じますし、だからこそ、我々がRPG製作に夢中に取り組むことが出来るのです。これから取り組む『プロジェクト・リファンタジー』でも、この作品だからこその「記憶に残るゲーム体験」を提供出来ればと思います。

そして立ち塞がる現実をいつか乗り越えられる。そんな気持ちが抱ける作品にしたいと思います(鼻息)!

詳しくは…以下の記事で。
■US Gamer
http://www.usgamer.net/articles/hashino-persona-5-interview